『つくる時の気持ち。』                    

 大量生産にはない、やさしさあたたかさのある服を1着1着作っています。 

 天然素材を中心に、素材感があり、製作意欲の湧くような生地を探しまわります。
 最近は機屋さんに直接交渉することも多くなってきました。
 生地を作った方の顔が見えるとなおさらその素材に愛着が湧きます.

 デザインは生地を見ながら考えます。見てない時もあるかな。
 この生地をどうやったら活かしてあげられるかを一生懸命考える.
 真剣に考えないと思い浮かばない時もあれば、ぽんっと出てくることもあります.
 
 見えない力がふっと出てくることがあって、これが出てくると成功間違いなし.
 いつもこの力が出てくるような環境にもっていきたいものですね。 

 一番大切にしたいことは「作りたい物を素直に作る」ということ。
 これ以外にこだわることはないのではないでしょうか?
 流行りものでも、技術をひけらかすようなものでも、何かに迎合したものでもなく
 今自分が作りたいものを素直に作り続けたいです.

 

『昔から支えてくれているミシン』                 

 洋服を作っていきたい。。。と思いはじめた頃見に行った装苑賞の公開審査。
 私にとっては衝撃的でした。。。。
 その時装苑賞をもらったのは、文化服装学園のその年の卒業生、淮田さんという女性。
 (その後彼女はヨージヤマモトに入社し、2年くらいで辞めてしまったようですが。)
 同じ年齢の女性はそんなすごい賞を取っていて、私はこれから。。。という思いもありましたが
 あまり気にもしていませんでした。
 高校生の頃から思い描いていて、ようやくスタート地点に立ったのです.
 
 そして、まずはミシン。。。と思って買ったのがブラザーの
 「ヌーベルクチュール・スペシャル2」というミシンでした。
 なぜそのミシンでなくちゃだめだったのか。。。それは、装苑賞の賞品だったから。。。
 憧れのミシンだったのです。
 あれから十数年。。。まだ活躍しています。すべての作品はこのミシンでできています。


『Fumi Factoryの名前の由来』                    

 なぜ「Fumi Factory」とつけたのか。。。
 Fumiは私の名前ですが、Factoryは「工房」という意味で、小さな部屋でこつこつ作っている。。。
 という雰囲気を出したかったのです。
 しかし、Factoryは「工場」という意味もあり、ふみ工場?!なんだか大量生産っぽい?
 本当のところなんか違うかも?なのです。
 一番最初に友人にウエディングドレスを頼まれた時に、これは印を作らなくちゃって
 織ネームを作る時にささっと考えました。
 まぁ、あとからじっくり考えればいいや。。。と思っていたら雑誌等に取り上げられ出してしまい
 名前を変えたらわからなくなっちゃう?と思いなんとなくそのままに。
 最近「ふみふぁく」と略して呼ばれるようになったりして、愛着が湧いてきてもいるのですが
 意味がわからなくて響きのよい名前もいいかななんて思ったりも。
 時々思い出したように考えてみたりしています。

『初めての展示会』                          

 まだ会社勤めしていた頃に初めてお店のオーナーさんなどが来る展示会、
 NABI展に参加しました。1999年の6月でした。
 それまでに、原宿や西荻窪のお店で少しづつ置かせていただいてはいましたが、
 情熱に任せて作ったはいいけど、この服はどうするんだろう?という感じで
 部屋に服は増えていき、製作と販売のバランスがとれていなかったのです。
 ぽんぽん売れるわけでもなく、どうしたらいいのだろうか???と。
 そう、作ってもどう売ったらいいか、よくわからなかったのです。
 そんな時フェルト作家の橘記子さんに、「こんな展示会があるよ」と教えていただいて
 何度か見に行ったのがNABI展でした。そのうち、オーナーの渡辺さんに「参加してみる?」と
 声をかけていただきました。とてもうれしかったです。
 しかし、以前から出展したかったものの、いざとなると不安で一杯でした.
 そして当日、どきどきしながら会場へ行くと、
 展示会初日の朝一番にいらっしゃったお客さま(お店のオーナーさん)が、
 私の服を抱えてキープしている姿を見て、力が抜けていきました。
 あぁ、プロの方が私の作った服を買ってくださるんだ。。。。と。
 あの時の光景、感激は今でも忘れられません。
 第一段階目の迷い?が消えた瞬間でした。